ブラジルが生体認証データの対価としての暗号資産支払いを禁止

ブラジルのデータ保護当局がWorld IDプロジェクトに規制を強化

ブラジルの国家データ保護機関(ANPD)は、World IDプロジェクト(旧Worldcoin)を運営するTools For Humanityへの禁止措置を維持しました。同社は**ユーザーの生体認証データ(特に虹彩スキャン)**を取得する見返りに、暗号資産や金銭的インセンティブを提供することが禁止されました。

プライバシー懸念による規制措置

ANPD2024年11月に調査を開始し、機密性の高い生体認証データと引き換えに報酬を提供することで、ユーザーの同意が適切に得られない可能性を問題視しました。禁止措置は現在も有効であり、Tools For Humanityがこれに違反した場合、1日あたり5万ブラジルレアル(約8,800ドル)の罰金が科されます。

世界中で強まる生体認証データの規制

World IDプロジェクトは、虹彩スキャンを活用したデジタルIDシステムの構築を目指しています。しかし、各国の規制当局は同様の取り組みに対して厳しい姿勢を取っています2024年5月には香港がWorldcoinに対し営業停止を命令し、2024年9月には韓国がプライバシー違反を理由に82万9,000ドルの罰金を科しました

デジタルIDとデータ保護の今後

この問題は、生体認証データの収集に対する懸念の高まりと、より厳格なデータ保護規制の必要性を浮き彫りにしています。各国政府は、個人情報の悪用を防ぐため、規制を一層強化しています。