CME Group、Google Cloudと提携し資産トークン化の試験運用を開始

概要

主要なデリバティブ取引所運営会社であるCME Groupは、Google Cloudと協力し、Google Cloud Universal Ledger (GCUL) を活用した資産トークン化の可能性を探ると発表した。本プロジェクトは、資本市場の効率を向上させ、金融取引の近代化を目的としている。

パイロットプログラムの目的

この提携では、GCULを統合することで資本市場のさまざまな分野を改善することに焦点を当てている。主な改善点は以下のとおり。

  • 担保管理: 手続きを合理化し、遅延や運用リスクを低減
  • マージン処理: マージン計算と決済の透明性および効率を向上
  • 決済プロセス: 決済速度を上げ、流動性を向上
  • 手数料支払い: 手数料体系を簡素化し、コストを削減

これらの改善は、金融市場の24時間365日(24/7)取引環境への移行をサポートすることを目的としている。

実装スケジュール

CME GroupとGoogle Cloudは、2026年に市場参加者とともにGCUL技術のテストを開始する予定だ。どの資産がトークン化されるのかについては、現時点で明らかにされていない。

資産トークン化の広範な背景

資産トークン化とは、実世界の資産をブロックチェーン上のデジタルトークンに変換するプロセスであり、伝統的な金融市場での注目度が高まっている。この手法は、流動性向上、透明性強化、アクセスの拡大といった利点を提供する。スタンダードチャータード銀行は、2034年までにトークン化資産の市場規模が30兆ドルに達すると予測している。

CME GroupとGoogle Cloudの協力は、金融機関がブロックチェーン技術を活用し、市場の近代化と効率向上を目指すトレンドを反映している。